昔の映画館と父の思い出

akatsuki

2015年12月25日 15:39

子どものころは映画館は今ほど身近なものではなく、「映画に連れてってやるぞ」といわれようものならワクワク、興奮度も今とは比べ物になりませんでした。

小学生の頃、お堅い父が珍しく「ゴジラ観に映画館へ行こう」と、地域でも数少ない映画館に連れていってくれたのです。

単館上映の小さな映画館、古びた建物の中に入ると劇場の周りにずらっと待合イスが置いてあって、もう一つドアを押すと映画を上映している劇場という、昔ながらの映画館です。

もちろんポップコーンなんて洒落たものはありませんよ。


映画は二本立てで、「ゴジラ」ともう一本は「悪魔の手毬歌」というちょっと怖い映画でした。

父は、「俺は今やっている悪魔の手毬歌を見てるから、おまえは待合で待ってなさい」とさっさと中に入っていったのですが、待っているのも何となく心細くて、父を探しに劇場のドアを押しました。

すると、ちょうど恐怖の流血シーンが・・・!


その日の晩ご飯は食べることができず、何日か食が進まなかった私。
この出来事がトラウマとなって、ホラー映画(特に血が出るもの)は一切見られなくなったのでした。

父は、「あんなのトリックなんだから怖くない」と慰めてくれましたが、全然免疫のなかった私は立ち直れませんでした。


その父も今は亡く、思えば厳しいわりにはのんきなところもある面白いお父さんだったなぁと、今ではいい思い出になっています。

ホラーは見られないけれど。

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